“失敗するから成功がある”
これは、幕末の日本が生んだ鬼才、佐久間象山の名言です。佐久間象山は坂本龍馬・吉田松陰に西洋砲術を教えたことで知られています。
この記事では、そんな佐久間象山の人物像と功績、この名言に込められた意味を解説していきます。
佐久間象山の名言
時はまだ、日本が鎖国をしていた時代でした。そんな時に蘭学を積極的に勉強し、幕府からも一目置かれた人物が佐久間象山です。
彼の残した名言がこちらです。
“失敗するから成功がある“
まずは、佐久間象山の人間性に触れてみましょう。
いやいや、私はすぐにでも意味を知りたいという方はこちらに進んで下さい。⇨ 佐久間象山の名言の意味
幕末・明治維新の名言に関する総集編のような記事を書きました。ぜひこちらの記事も御覧下さい。

佐久間象山とはどんな人
幕末の思想家。洋学の第一人者。門下生に勝海舟・坂本龍馬・吉田松陰らがいる。妻は勝海舟の妹。
1811年に信濃松代藩士佐久間一学の長男として生まれ、1864年54歳で暗殺される。
けっきょく何をした人
佐久間象山の功績
- 明治維新に関わる門下生を多く排出させた
- 徳川幕府に助言し横浜港を開港させた
佐久間象山は、1851年に江戸で五月塾を開き砲術・兵学を教えました。その噂を駆けつけ、門弟には吉田松陰・小林虎三郎・勝海舟・河井継之助・橋本左内・岡見清熙・加藤弘之・山本覚馬・坂本龍馬らがいたとされます。
また、ペリーの黒船の来航以来ずっと、象山は横浜の開港を徳川幕府に主張してきました。そしてついに、1859年に横浜は開港します。
この開港が、そのまま明治維新へとつながっていくわけです。つまり象山は、そのためにきっかけを作ったことになります。
佐久間象山とはどんな人物?

17世紀のカノン砲
佐久間象山は、俗に言う天才です。どれだけ天才なのかは、下記の文を読むとわかります。
信じられないかも知れませんが、3歳の時には儒教の基本経典である六十四卦を読み、禁葷酒の碑を見て「禁」の字を覚えたと言います。
象山の修業は6歳から始まりました。父一学が卜伝流剣術の達人だったので、その教えを受けています。そのせいか、子供ながらに喧嘩はめっぽう強く、いつも近所の子を負かしていたようです。
他にも詩文、経書、和算、水練、朱子学、琴を学んでいます。文武両道というやつですね。
また、西洋砲術は江川英龍から学び、この時にアヘン戦争の話を聞き衝撃を受けたとされます。さらに、オランダ語は2ヶ月というスピードで習得。20歳の時には漢文100篇を作って、鎌原桐山に提出しました。鎌原桐山は、江戸時代後期の有名な儒者です。
ただし、天才だから尊敬されてるのかというと、そんなことはありませんでした。勝海舟・高杉晋作からは、皮肉交じりの評価をされています。2人からは「ほら吹き」呼ばわりされてましたから。
勝海舟「佐久間象山は物識りだったよ。学問も博し、見識も多少持っていたよ。しかし、どうも法螺吹きで困るよ。」
高杉晋作「あれは一個の法螺吹きだ」引用元:Wikipedia
なぜ佐久間象山はこんなにも深い知見と高い能力がありながら、ほら吹き呼ばわりされていたのでしょうか?
実は、象山は自分で自分のことを「国家の財産」と言っていました。かなりの自信家で、坂本龍馬にも「僕の血を継いだ子供は必ず大成する。そのため、僕の子供をたくさん生めるような、大きな尻の女を紹介してほしい」と言っていたとか。この性格を疎まれたようです。
失敗もしています。41歳の時に、松前藩の依頼で洋式大砲を制作することとなりました。しかし砲身が爆発して大失敗。民衆から笑われてしまいました。
ですが、ただでは転ばないのが象山です。口から出た名言がこちらです。「失敗するから成功がある。」
Wikipediaにはこのように記載されていました。
「今の日本で洋式大砲を製造できるのは僕以外にいないのだから、諸大名はもっと私に金をかけて(大砲の)稽古をさせるべきだ」と豪語して役人達を呆れさせたという。
引用元:Wikipedia
その並外れた能力の高さから、自分の非を認めることが出来なかったようですね!

幕末期に品川台場に設置された青銅製カノン砲
話は変わり、1853年になるとペリーの黒船が来航します。ここから時代が大きく変わります。
以前から日本の未来に不安を感じていた象山は、門下生であった吉田松蔭に外国行きを勧めました。松蔭自身も長崎に行った時に、欧米の脅威を肌で感じていましたから。
しかし翌年、密航をペリーに拒否されたあげく、松蔭は投獄されてしまいました。当時は幕府に許可なく海外に渡航することは犯罪だったからです。
同時に象山も、松蔭をそそのかした罪として投獄されてしまいました。
その後、一橋慶喜(後の徳川15代将軍)に公武合体論と日本の開港を説いたりもしましたが、1864年に尊王攘夷派により暗殺されます。
佐久間象山の名言の意味とは?
“失敗するから成功がある“
もう、意味はそのままです。エジソンが言った「失敗は成功の母である」と同義です。
この言葉を佐久間象山は、洋式大砲の失敗をとがめた松前藩への反撃の言葉として使ったわけですが、内容的には意を得ています。
成功は失敗の上に成り立っていることを、象山は身をもって知っていたことになります。
この名言を自分に役立てるには?
とは言っても、わかっているのに失敗を気にするのが人間です。
でも、本当は象山の言うように、成功は失敗の上に成り立っています。温泉卵の作り方で説明しますね。
あなたは、書籍で温泉卵の作り方を学習しました。そして、冷蔵庫から生卵を取り出し、次の順序で作ってみました。
- 鍋に水を火をつける
- 沸騰したら火を止める
- 中に生卵を入れる
- 15分たったら卵を取り出す
- 冷水で冷やす
しかし、結果は失敗でした。まだ中身がうまく固まっていなかったのです。そこで、原因を考えてみました。すると、冷蔵した卵より常温の卵のほうが、うまくいくという事がわかりました。それ以来、温泉卵は自分の得意料理の一つになりました。
もちろん、こんなにトントン拍子にいくことは少ないと思います。でも、ここから成功は失敗の上に成り立ってるんだということはわかりますよね?
つまり、象山の名言を活かそうと思うのなら、失敗を受け入れる必要があります。失敗があることを前提に行動するわけですね。
そうすると、仮に失敗したとしても、それは想定内の出来事になりますから、ダメだと思うことがなくなります。失敗は成功の土台(母)なんです。
まずは、温泉卵のようにカンタンなことから始めると、確信が持てるようになりますよ~。
おわりに
性格はどうであれ、佐久間象山が偉大な人であることには変わりありません。象山がいたからこそ、日本は明治維新の方向へと進むことができました。
勝海舟も象山の死を知った時、象山を「蓋世の英雄」と評価し、「先生」と敬称をつけていました。
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